車の購入による節税対策
2025.06.07 更新
目次
事業を営む上で、車の購入は単なる移動手段ではなく、税務上のメリットを享受できる重要な選択肢となります。
特に法人や個人事業主にとって、車の購入やリースを活用した節税対策は、経費計上や減価償却を通じて税負担を軽減する手段となります。
今回は、車の購入による節税のポイントを解説します。
車の購入と節税の基本
社用車の購入は、税負担の軽減に有効な手段です。
特に法人や個人事業主にとって、車は単なる移動手段ではなく、事業の一環として計上できる重要な資産となります。
車の購入費用は減価償却を通じて経費として認められます。
一般的な乗用車の耐用年数は6年とされており、毎年一定額を経費計上することが可能です。
経費が増えることで、所得税や法人税の負担が軽減される仕組みです。
また、税務上の観点からは、購入費用だけでなく、車両維持費(ガソリン代、保険料、車検費用など)も経費として計上できる点がメリットとなります。
なお、法人名義で購入した車は、事業専用の車として扱われるため、家事按分の必要がなく、全額を経費計上できる点がメリットです。
ただし、業務使用が明確でない場合、税務調査で経費計上が認められない可能性があるため、使用状況の記録を残すことが重要です。
自家用車と社用車の違い
個人事業主の場合、自家用車を業務に使用するケースも多いでしょう。
しかし、自家用車を業務利用する場合は家事按分が必要になります。
つまり、プライベートと業務使用の割合を分け、業務に使用した部分のみを経費として計上することになります。
例えば、走行距離の記録を取ることで、業務利用の割合を明確にすることができます。
ただし、家事按分の割合に関しては申告者が決定できる点から、税務調査の際に按分割合が不適切と判断されると経費計上が認められず、追徴課税のリスクが生じる可能性があります。
さらに、家事按分の割合が低い場合、節税効果が限定的となり、社用車のように全額経費計上できるメリットを享受できません。
こうした点を考慮し、事業の規模や使用頻度に応じた適切な選択が求められます。
対して、社用車であれば業務利用が前提となるため、購入費用の全額を経費計上することが可能です。
法人名義での車購入は、個人事業主の家事按分に比べて節税効果が大きくなるため、法人化を検討している事業者にとっては有力な選択肢となるでしょう。
リースの活用とメリット・デメリット
車の購入だけでなく、カーリースを活用することで節税対策を取ることも可能です。
カーリースは、契約期間中のリース料を毎月経費として計上できるため、初期費用を抑えながら車を業務利用できる点が魅力です。
加えて、リース契約では車両管理の手間が軽減されることが多く、メンテナンス費用が固定化されているため、長期的な資金計画を立てやすい点もメリットです。
ただし、契約終了時に資産が残らないため、長期間使用する場合には購入の方が総合的に経済的となるケースもあります。
さらに、リース契約では途中解約が難しい場合が多く違約金が発生する可能性がある他、走行距離の制限なども設定される場合があるため、事業で使用する頻度や、事業の資金繰りを考慮し、慎重に選択する必要があります。
節税対策の注意点
車の購入による節税対策を進める上で、税務上のルールを正しく理解しておくことが重要です。
例えば、業務使用が明確でない場合、税務調査の際に経費計上が認められない可能性があります。
自家用車を業務に使う場合、家事按分の割合が不適切だと判断されるケースもあります。
また、減価償却の計算方法には定額法と定率法の選択肢があり、どちらを選ぶかで税負担が異なります。
定額法は毎年同じ額を償却する方法で、定率法は初年度の償却額が大きく、その後減少していく仕組みです。
事業の収益状況に応じた適切な計算方法を選択し、最大限の節税効果を得るためには、専門家と相談しながら進めることが重要です。
まとめ
車の購入は、法人や個人事業主にとって有効な節税対策の一つですが、税務上のルールを理解し、適切な方法を選択することが求められます。
社用車の購入による減価償却、自家用車の家事按分、カーリースの活用など、それぞれの選択肢にはメリット・デメリットがあります。
事業の資金繰りや税負担を総合的に考慮し、自社に最適な方法を選択することが重要です。
弊社では車購入時にご相談いただければその時の経営状況を勘案して最善の方法をご提案しておりますので、ぜひご相談ください。